「二つ返事」の正しい意味は?

一つ? 二つ?

「二つ返事」の正しい意味は? オマケ漫画あります

(ページ下部にオマケ漫画があります)

(結論)

「快く承諾すること」は「二つ返事」!

「一つ返事」という日本語は存在しない!

「いくつ」返事?

唐突ですが、あなたが、会社の上司から何か頼み事をされたとしましょう。

あなたは笑顔で「引き受けます!」と一言いって、頼み事を聞き入れました。

さて、この時のあなたのその返事は、「一つ返事」でしょうか?

それとも「二つ返事」?

「「引き受けます!」という言葉一つなんだから、「一つ返事」でしょう!」と思った方、実はそれ、誤用なんです!

上記の例のように、人からのお願い事や頼み事を快く引き受ける際の返事は、「二つ返事」といいます。

実は、「二つ返事」なのか「一つ返事」なのか分からず、誤って「一つ返事」という言葉を使ってしまう人が多くいます。

文化庁が平成23年度に16歳以上を対象に行った「国語に関する世論調査」で、「二つ返事」と「一つ返事」のどちらを使うかについて、調査が行われました。

この調査で、なんと、日本人の約4割の人が誤りである「一つ返事」を使っていることが明らかになりました。

もう少し細かくみると、誤用している人の割合が約42%、正しい「二つ返事」を使う人の割合が約45%となっており、その数に大差はありません。

どうしてこれほどまでに、誤用である「一つ返事」という言葉が広まってしまったのでしょうか?

「二つ返事」の正しい意味をチェックすれば、その謎が解けるかもしれません。

次項で確認してみましょう。

「二つ返事」とはどういう返事?

前項で、「二つ返事」というべきところで「一つ返事」を使ってしまう人が多くいる、というお話をしました。

これはきっと、「二つ返事」の正しい意味を理解していないことからくる誤用でしょう。

「二つ返事」の正しい意味を知って、どうしてわざわざ「二つ」返事なのかを理解すれば、誤用なんてしなくなります!

まずは、以下の辞書の引用で、「二つ返事」の正しい意味をチェックしましょう。

ふたつ‐へんじ【二つ返事】

1 「はい」を二つ重ねて返事をすること。

2 気持ちよく、すぐに承諾すること。「二つ返事で引き受ける」

デジタル大辞泉(小学館)

goo辞書より引用

「二つ返事」の「二つ」は、「はい」を二回重ねて返事する様子を表しています。

これだけ聞くと、一回の返事は「一つ返事」だ、と言えてしまいそうですが、大切なのは、「はい」という返事のニュアンスです!

「二つ返事」とは、「はいはーい!分かったよ~」などと快く引き受けるような感じの返事なのです。

「はいはーい!」と返事をつい二回してしまうくらい、すぐに引き受ける様子を、返事の数をとって「二つ返事」と表現したのでしょう。

辞書では、一つ目の意味に「はい」の返事の回数について触れてありますが、日常でよく聞く「二つ返事」は、二つ目の意味の、快い承諾という意味をもつことがほとんどだと思います。

二回という返事の回数は快さを表しているんだな、という程度で思っていて大丈夫でしょう。

ともかく、「二つ返事」は「快い承諾」という意味だ、と結び付けておくことが大切です。

正しく「二つ返事」を使おう!

「二つ返事」の「二つ」は、「はいはーい!」という返事の快さを表している、とお伝えしました。

ですが、決して軽率な返事ではない、ということを知っておいてほしいのです。

「二つ返事」はまさに「快諾」、快さがあってこその返事なのです。

分かりやすい例文を挙げてみましょう。

心から待ち望んでいた依頼が舞い込んできて、「二つ返事」で引き受けた。

私とってはおいしい話でしかなかったから、「二つ返事」で話を飲んだ。

今すぐドライブに行こう、という誘いに「二つ返事」で乗った。

このように、「二つ返事」で引き受ける側はいずれも快く受け答えしている、というのが分かるでしょうか。

なお、「二つ返事」は、頼み事や話、誘いを引き受けるときに使うのであって、それらを断る際には決して使いませんので、注意が必要です。

「二つ返事」は「快諾」だ、ということさえ覚えておけば、きっとこれから正しい場面で使うことができるでしょう!

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