HOME 言葉の意味 「割愛する」の正しい意味は? 「割愛する」の正しい意味は? 惜しい? 惜しくない? (ページ下部にオマケ漫画があります) (結論) 「割愛する」は「惜しいと思うものを手放す」という意味。 「不必要なものを切り捨てる」という意味ではない。 「愛を割く」で「割愛」! みなさんは、「割愛する」という言葉を耳にしたことがありますか? 便利な言葉なので、日常生活で聞いたり使ったりすることも多いかもしれません。 ですがこの言葉、使う状況を間違えると、とてもちぐはぐな文になってしまうんです! 誤って使って恥ずかしい思いをしないためにも、この機会に正しい意味を確認してみましょう。 かつ‐あい【割愛】 [名](スル) 1 惜しいと思うものを、思いきって捨てたり、手放したりすること。「紙数の都合で割愛した作品も多い」 2 公務員が、他の自治体や民間企業などへ籍を移すこと。また、大学の職員が、他大学へ籍を移すこと。手続きの形式上、移籍先が「人材を割愛してほしい」と申請することから。「割愛願い」「割愛申請書」 3 愛着の気持ちを断ち切ること。恩愛や煩悩 (ぼんのう) を捨て去ること。 「―出家の沙門、何ぞ世財をあらそはん」〈沙石集・九〉 デジタル大辞泉(小学館) goo辞書より引用 会議なんかで、「この内容は説明を割愛します」と言われたら、「この内容」の説明というのは不必要なものではないのです。 むしろ真逆! とても大切な内容だけど、時間などの都合上説明を省かざるを得ないから泣く泣くカットする、という意味なのです。 「愛を割く」で「割愛」と書くように、大事なもの、惜しいと思うものを思い切って手放したり省いたりするときに使う言葉です。 ですので、不必要なものやそれほど愛着のないものを手放したり省いたりするときに「割愛する」と言うのは間違いです。 割愛する≠省略する 実は、日本人の多くが、「割愛する」と「省略する」の二つの言葉をの意味を混同して使ってしまっているようなのです。 文化庁が平成23年度に16歳以上を対象に行った「国語に関する世論調査」で、「割愛する」の意味に関する調査が行われました。 なんと、10代から60代以上の全ての年代で「割愛する」の意味は「不必要なものを切り捨てる」だと誤用しているという結果が明らかになりました。 最もその割合が高かったのは、20代の75.4%で、最も低くても60歳以上の57.1%です。 「惜しいと思うものを手放す」という正しい意味で覚えていた人の割合は、10代を除き、2割を切る結果となりました。 日本人のおおよそ7割が「割愛する」の意味を誤用しているのです。 言葉の意味は変化していくとはいえ、日常生活でもよく使われている言葉がこれほど誤用されているというのは驚きです。 「割愛する」の意味を、「不必要なものを切り捨てる」「簡単にするために省く」という意味の「省略する」と同じだと考えて使ってしまうと、ときには失礼になってしまうことも。 例えば、祝電などを「時間の都合上省略します」といってしまうと、祝電を不必要なものだといっていることと同じになってしまいます。 祝電はありがたいお祝の言葉ですから、本当は丁寧に紹介したいけど、仕方なく省くというニュアンスをもつ「割愛する」を使うのが正解。 「割愛する」の意味は、その語源を一度理解してしまえば、きっと正しく覚えられます! 次項で語源を確認して、正しく「割愛する」を使っていきましょう。 「割愛」は文字通り「愛を割く」ことから生まれた言葉 「割愛」には、主に二つの語源があるといわれているようです。 一つ目は、「割愛」は仏教の「出家」を意味するというもの。 出家とは、世俗の生活を捨て、僧となって仏道を修行することです。 つまりは、愛する家族やふるさとの地を離れて修行に専念することをいいます。 ここから、愛する人と引き離され、愛着あるものを手放すという意味の「割愛」という言葉が生まれたといわれています。 惜しいと思うものを割くからこそ、「割愛」なのですね。 二つ目は、養蚕業には欠かせない、蚕が関わってきます。 蚕の交尾は、数時間、時には一日以上に渡るといわれており、それではメスが卵を産む前に弱りきってしまうようなのです。 卵がとれないのでは絹を紡ぐことができません。 ですので、人の手で無理やり引き離してしまうのです。 この様子を「愛を割く」、すなわち「割愛」と表現したのがこの言葉の語源だといわれています。 ちょっと驚きエピソードですが、印象に残る語源ですよね。 いずれの語源からも、不必要なものを切り捨てることを「割愛する」とは表現できない理由が分かったのではないでしょうか? 「割愛する」とは、「惜しいと思うものを手放す」ことです。 今まで誤用していた人は、今後はぜひ正しい意味で使ってくださいね。
(結論)
「割愛する」は「惜しいと思うものを手放す」という意味。
「不必要なものを切り捨てる」という意味ではない。
「愛を割く」で「割愛」!
みなさんは、「割愛する」という言葉を耳にしたことがありますか?
便利な言葉なので、日常生活で聞いたり使ったりすることも多いかもしれません。
ですがこの言葉、使う状況を間違えると、とてもちぐはぐな文になってしまうんです!
誤って使って恥ずかしい思いをしないためにも、この機会に正しい意味を確認してみましょう。
goo辞書より引用
会議なんかで、「この内容は説明を割愛します」と言われたら、「この内容」の説明というのは不必要なものではないのです。
むしろ真逆!
とても大切な内容だけど、時間などの都合上説明を省かざるを得ないから泣く泣くカットする、という意味なのです。
「愛を割く」で「割愛」と書くように、大事なもの、惜しいと思うものを思い切って手放したり省いたりするときに使う言葉です。
ですので、不必要なものやそれほど愛着のないものを手放したり省いたりするときに「割愛する」と言うのは間違いです。
割愛する≠省略する
実は、日本人の多くが、「割愛する」と「省略する」の二つの言葉をの意味を混同して使ってしまっているようなのです。
文化庁が平成23年度に16歳以上を対象に行った「国語に関する世論調査」で、「割愛する」の意味に関する調査が行われました。
なんと、10代から60代以上の全ての年代で「割愛する」の意味は「不必要なものを切り捨てる」だと誤用しているという結果が明らかになりました。
最もその割合が高かったのは、20代の75.4%で、最も低くても60歳以上の57.1%です。
「惜しいと思うものを手放す」という正しい意味で覚えていた人の割合は、10代を除き、2割を切る結果となりました。
日本人のおおよそ7割が「割愛する」の意味を誤用しているのです。
言葉の意味は変化していくとはいえ、日常生活でもよく使われている言葉がこれほど誤用されているというのは驚きです。
「割愛する」の意味を、「不必要なものを切り捨てる」「簡単にするために省く」という意味の「省略する」と同じだと考えて使ってしまうと、ときには失礼になってしまうことも。
例えば、祝電などを「時間の都合上省略します」といってしまうと、祝電を不必要なものだといっていることと同じになってしまいます。
祝電はありがたいお祝の言葉ですから、本当は丁寧に紹介したいけど、仕方なく省くというニュアンスをもつ「割愛する」を使うのが正解。
「割愛する」の意味は、その語源を一度理解してしまえば、きっと正しく覚えられます!
次項で語源を確認して、正しく「割愛する」を使っていきましょう。
「割愛」は文字通り「愛を割く」ことから生まれた言葉
「割愛」には、主に二つの語源があるといわれているようです。
一つ目は、「割愛」は仏教の「出家」を意味するというもの。
出家とは、世俗の生活を捨て、僧となって仏道を修行することです。
つまりは、愛する家族やふるさとの地を離れて修行に専念することをいいます。
ここから、愛する人と引き離され、愛着あるものを手放すという意味の「割愛」という言葉が生まれたといわれています。
惜しいと思うものを割くからこそ、「割愛」なのですね。
二つ目は、養蚕業には欠かせない、蚕が関わってきます。
蚕の交尾は、数時間、時には一日以上に渡るといわれており、それではメスが卵を産む前に弱りきってしまうようなのです。
卵がとれないのでは絹を紡ぐことができません。
ですので、人の手で無理やり引き離してしまうのです。
この様子を「愛を割く」、すなわち「割愛」と表現したのがこの言葉の語源だといわれています。
ちょっと驚きエピソードですが、印象に残る語源ですよね。
いずれの語源からも、不必要なものを切り捨てることを「割愛する」とは表現できない理由が分かったのではないでしょうか?
「割愛する」とは、「惜しいと思うものを手放す」ことです。
今まで誤用していた人は、今後はぜひ正しい意味で使ってくださいね。