「にやける」の正しい意味は?

にやけてる?

「にやける」の正しい意味は? オマケ漫画あります

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(結論)

「にやける」は、「なよなよしている」ということ。

「にやにやと薄ら笑いを浮かべる」という意味ではない。

「にやける」と「にやにやする」は別物!

「にやける」と「にやにやする」は、異なる意味を持つ言葉なのですが、音の響きが似ているからか、つい意味を混同してしまいそうになりますよね。

この機会に、それぞれの意味を確認してみましょう。

にや・ける【▽若気る】

[動カ下一]《名詞「にやけ」の動詞化》

1 男が変にめかしこんだり、色っぽいようすをしたりする。「―・けたやつ」

2 俗に、にやにやする。口許がゆるんで笑顔になる。「彼のことを考え、―・けてしまう」

デジタル大辞泉(小学館)

goo辞書より引用

にや‐にや

[副](スル)声を出さないで薄笑いを浮かべるさま。「子供の話となると急ににやにや(と)しはじめる」「意味ありげににやにや(と)笑う」

デジタル大辞泉(小学館)

goo辞書より引用

実は誤用している人が圧倒的に多い

文化庁が平成23年度に16歳以上を対象に行った「国語に関する世論調査」では、全ての年代において、本来の「なよなよしている」の意味を答えた人の割合より誤用の「薄笑いを浮かべている」の意味を答えた人の割合が圧倒的に高くなるという結果になりました。

10代から50代では誤用している人の割合が75%を超え、60代以上では67%を超えることとなったのです。

先程も言いましたが、これほどまでに「にやける」という言葉の意味が誤用されるようになったのは、「にやにやする」と音の響きが似ているからだという指摘がされています。

というのも、本来「にやける」は「若気る」と書き、「にゃける」と呼んでいました。

しかしこれが明治時代頃から「にやける」と発音されるようになり、次第に俗語として「にやにやする」という意味でも使われるようになったようなのです。

実際に、2018年に刊行された広辞苑第7版では、本来の「男などがめめしく色めいた様子をする」という意味に加えて新たに俗語として「にやにやする」という意味が加えられました。

このように本来の意味ではない意味が、俗語としてではあるものの認められていくという事例も多くあるようです。

「にやける」は男性に対して使う言葉

先程、「にやける」は「若気る」と書くと言いましたが、その語源は「若気(にやけ)」という名詞です。

「若気」とは以下のような意味をもっています。

にや‐け【▽若気】

《古くは「にゃけ」か》

1 男が派手に着飾ったり、媚 (こ) びるような態度をとったりすること。また、その人。「若気男」

2 男色を売る若衆。陰間 (かげま) 。

「長季は宇治殿の―なり」〈古事談・二〉

デジタル大辞泉(小学館)

goo辞書より引用

語源である「若気」が本来男性に使われる言葉ですから、それが動詞となった「若気る」も男性に対して使われる、という訳です。

しかし、俗語としての「にやにやする」という意味で「にやける」という言葉を使う際には、女性に対して使われることもあります。

この言葉を使う相手によっては誤解を招いてしまうかもしれませんので、注意して使う必要がありそうですね。

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