HOME 言葉の意味 「お眼鏡にかなう」or「お目にかなう」? 「お眼鏡にかなう」or「お目にかなう」? ナニにかなう? (ページ下部にオマケ漫画があります) (結論) 「目上の人の気に入られること」は「お眼鏡(めがね)にかなう」! 「お目にかなう」は誤り ○○にかなう 「社長のお眼鏡にかなった新人社員」 「社長のお目にかなった新人社員」 眼鏡と目、たったこの違いだけなのですが、どちらの文が正しい日本語を使っているか、分かりますか? 「目上の人に評価される」「目上の人に気に入られる」という意味を持つのは、「お眼鏡にかなう」なのです。 ですから、「社長のお眼鏡にかなった新人社員」のほうが正解ですね。 日本語には数多くの慣用句がありますが、その中では「お眼鏡にかなう」という慣用句は、メジャーなものではないでしょうか。 ですが、メジャーであると同時に誤用も多いようなのです。 文化庁が平成20年度に16歳以上を対象に行った「国語に関する世論調査」で、「目上の人の気に入られること」を指す言葉に、「お眼鏡にかなう」と「お目にかなう」のどちらを使用するかについての調査が行われました。 10代では、誤りである「お目にかなう」と回答した人が「お眼鏡にかなう」よりも圧倒的に多く、10代が最も誤用率の高い年代となりました。 その差は30ポイント以上もあり、約6割近い人が誤用している結果となりました。 一方、30~50代では「お眼鏡にかなう」と回答した人のほうが多く、約5割の人が「お眼鏡にかなう」を正しく使えている、という結果となりました。 なぜ「お目にかかる」という誤った慣用句が広まってしまったかは定かではありません。 眼鏡と目、というわずかな違いしかないからでしょうか。 それとも、「お目にかける」や「お目にかかる」といった似た言葉が存在するために、それらと混同してしまったのでしょうか。 原因はともあれ、「目上の人に気に入られること」を意味する言葉は、「お眼鏡にかなう」! 「お眼鏡にかなう」の語源を知れば、きっと誤った慣用句を使うことはなくなるでしょう。 次項では、そんな豆知識をお伝えします。 「お眼鏡にかなう」は「御眼鏡に適う」 「お眼鏡にかなう」と聞いたとき、初めは誰しもが「眼鏡って、鼻にかけて使う、視力調整するためのやつ?」と思ってしまうのではないでしょうか。 眼鏡をかけている人でもそうでない人でも、日常的に「眼鏡」といったら、思い浮かべるのはやはり視力調整をしてくれる「眼鏡」でしょう。 そう、こういった書き方をしているということは、「お眼鏡にかなう」の「お眼鏡」は、視力調整のための「眼鏡」ではないのです! 「お眼鏡にかなう」は、「御眼鏡に適う」と書きます。 ここでの「眼鏡」とは、「物の善悪・可否を見きわめる能力」のこと。 「御」をつけて「眼鏡」という「能力」を尊敬することで、その能力が目上の人のものであることが分かります。 そして、「適う」という漢字には、「条件・基準などによく当てはまる」という意味があります。 まとめると、「御眼鏡に適う」は、「目上の人の「物の善悪・可否を見きわめる能力」に当てはまる」ことを意味するのです。 これが、「お眼鏡にかなう」の語源です。 「お眼鏡」が「物の善悪・可否を見きわめる能力」だ、ということを覚えておけば、きっと「お目にかなう」という誤った慣用句を使うことはなくなるでしょう。 ぜひ、この語源とともに「お眼鏡にかなう」という言葉を覚えてみてください。 御眼鏡(おめがね)に適(かな)・う 目上の人に評価される。お気に入る。「監督の―・った新人選手」 デジタル大辞泉(小学館) goo辞書より引用 「眼の鏡(かがみ)」 「お眼鏡にかなう」という慣用句に関連して、ひとつ小話を紹介しましょう。 「めがね」は、「眼の鏡(かがみ)」と書いて「眼鏡(めがね)」と読みますよね。 今では、物の形を映す道具は、一般的には「鏡」と書かれますが、「鏡」はもともと「鑑」と表記されていました。 (もともと、といっても古代中国ですから、昔のさらに昔です。) そして、「鑑」という漢字は、「鑑識」や「鑑別」といった熟語にも用いられるように、「よしあしを見分ける」という意味をもちます。 ですから、「眼鏡(めがね)」に「物の善悪・可否を見きわめる能力」という意味があるのは、「鏡(鑑)」という漢字がそのような意味をもつからかもしれません。 めがねの漢字表記に関しては様々諸説あるようなので、この話が正解かは分かりませんが、「お眼鏡にかなう」という言葉を覚えるにあたって、少しでも印象に残れば、と思います。
(結論)
「目上の人の気に入られること」は「お眼鏡(めがね)にかなう」!
「お目にかなう」は誤り
○○にかなう
「社長のお眼鏡にかなった新人社員」
「社長のお目にかなった新人社員」
眼鏡と目、たったこの違いだけなのですが、どちらの文が正しい日本語を使っているか、分かりますか?
「目上の人に評価される」「目上の人に気に入られる」という意味を持つのは、「お眼鏡にかなう」なのです。
ですから、「社長のお眼鏡にかなった新人社員」のほうが正解ですね。
日本語には数多くの慣用句がありますが、その中では「お眼鏡にかなう」という慣用句は、メジャーなものではないでしょうか。
ですが、メジャーであると同時に誤用も多いようなのです。
文化庁が平成20年度に16歳以上を対象に行った「国語に関する世論調査」で、「目上の人の気に入られること」を指す言葉に、「お眼鏡にかなう」と「お目にかなう」のどちらを使用するかについての調査が行われました。
10代では、誤りである「お目にかなう」と回答した人が「お眼鏡にかなう」よりも圧倒的に多く、10代が最も誤用率の高い年代となりました。
その差は30ポイント以上もあり、約6割近い人が誤用している結果となりました。
一方、30~50代では「お眼鏡にかなう」と回答した人のほうが多く、約5割の人が「お眼鏡にかなう」を正しく使えている、という結果となりました。
なぜ「お目にかかる」という誤った慣用句が広まってしまったかは定かではありません。
眼鏡と目、というわずかな違いしかないからでしょうか。
それとも、「お目にかける」や「お目にかかる」といった似た言葉が存在するために、それらと混同してしまったのでしょうか。
原因はともあれ、「目上の人に気に入られること」を意味する言葉は、「お眼鏡にかなう」!
「お眼鏡にかなう」の語源を知れば、きっと誤った慣用句を使うことはなくなるでしょう。
次項では、そんな豆知識をお伝えします。
「お眼鏡にかなう」は「御眼鏡に適う」
「お眼鏡にかなう」と聞いたとき、初めは誰しもが「眼鏡って、鼻にかけて使う、視力調整するためのやつ?」と思ってしまうのではないでしょうか。
眼鏡をかけている人でもそうでない人でも、日常的に「眼鏡」といったら、思い浮かべるのはやはり視力調整をしてくれる「眼鏡」でしょう。
そう、こういった書き方をしているということは、「お眼鏡にかなう」の「お眼鏡」は、視力調整のための「眼鏡」ではないのです!
「お眼鏡にかなう」は、「御眼鏡に適う」と書きます。
ここでの「眼鏡」とは、「物の善悪・可否を見きわめる能力」のこと。
「御」をつけて「眼鏡」という「能力」を尊敬することで、その能力が目上の人のものであることが分かります。
そして、「適う」という漢字には、「条件・基準などによく当てはまる」という意味があります。
まとめると、「御眼鏡に適う」は、「目上の人の「物の善悪・可否を見きわめる能力」に当てはまる」ことを意味するのです。
これが、「お眼鏡にかなう」の語源です。
「お眼鏡」が「物の善悪・可否を見きわめる能力」だ、ということを覚えておけば、きっと「お目にかなう」という誤った慣用句を使うことはなくなるでしょう。
ぜひ、この語源とともに「お眼鏡にかなう」という言葉を覚えてみてください。
goo辞書より引用
「眼の鏡(かがみ)」
「お眼鏡にかなう」という慣用句に関連して、ひとつ小話を紹介しましょう。
「めがね」は、「眼の鏡(かがみ)」と書いて「眼鏡(めがね)」と読みますよね。
今では、物の形を映す道具は、一般的には「鏡」と書かれますが、「鏡」はもともと「鑑」と表記されていました。
(もともと、といっても古代中国ですから、昔のさらに昔です。)
そして、「鑑」という漢字は、「鑑識」や「鑑別」といった熟語にも用いられるように、「よしあしを見分ける」という意味をもちます。
ですから、「眼鏡(めがね)」に「物の善悪・可否を見きわめる能力」という意味があるのは、「鏡(鑑)」という漢字がそのような意味をもつからかもしれません。
めがねの漢字表記に関しては様々諸説あるようなので、この話が正解かは分かりませんが、「お眼鏡にかなう」という言葉を覚えるにあたって、少しでも印象に残れば、と思います。