HOME 言葉の意味 雪辱は「果たす」or「晴らす」? 雪辱は「果たす」or「晴らす」? 「果たす」それとも「晴らす」? (ページ下部にオマケ漫画があります) (結論) 雪辱を「果たす」が正しい 雪辱を「晴らす」は間違い 「雪辱を果たす」の「雪辱」とは? 「雪辱を果たす」という言葉を、今までに耳にしたことはあると思います。 スポーツ関連のテレビや新聞などでよく使われる言葉ですが、「雪辱」の正しい意味って、知っていますか? 「雪辱」「果たす」「晴らす」のそれぞれの意味を確認してしまえば、「雪辱を”果たす”だっけ?雪辱を”晴らす”だっけ?」と悩むことは無くなります。 ではまず、「雪辱」の意味を辞書の引用で確認してみましょう。 せつ‐じょく【雪辱】 [名](スル)恥をすすぐこと。特に、競技などで負けたことのある相手を破って名誉を取り戻すこと。「雪辱を遂げる」「次の試合で必ず雪辱する」「雪辱戦」 デジタル大辞泉(小学館) goo辞書より引用 このとおり、「雪辱」という言葉は「辱(はじ)を雪(すす)ぐ」という意味をもっています。 そして、「果たす」は「成し遂げる」という意味で、「晴らす」は「わだかまりを取り除く」という意味です。 「雪辱を果たす」とは「恥をすすぐことを成し遂げる」、つまり、成功を修めることで「以前の恥を挽回する」という意味になります。 「雪辱」という言葉自体に、「雪(すす)ぐ」という悪いものを取り除くニュアンスが含まれているため、「雪辱を晴らす」では「恥を取り除くことを取り除く」となり、結果恥が取り除かれていないことになってしまいます。 「雪辱を晴らす」という誤用は、「屈辱を晴らす」という言葉との混同によって生まれたのではないでしょうか。 「屈辱」自体は「恥ずかしい思いをさせられること」という意味ですので、その思いを「晴らす」、すなわち「恥ずかしい思いを取り除く」となり、意味が通じますよね。 「雪辱」と「屈辱」、「果たす」と「晴らす」。 言葉が似ていてややこしい!と感じてしまうかもしれませんが、「雪辱を果たす」と「屈辱を晴らす」が正しい組み合わせですのでお間違えのないように! 日本人の多くが誤用している! 文化庁が平成22年度に16歳以上を対象に行った「国語に関する世論調査」で、「雪辱を果たす」と「雪辱を晴らす」のどちらの言葉を使うかに関する調査が行われました。 「雪辱を果たす」を使う人の割合が「雪辱を晴らす」を使う人の割合を超えた年代、すなわち誤用している人の割合がより少なかった年代は、30代、40代、60歳以上でした。 逆に、誤用している人の割合がより多かった年代は、10代、20代、50代でした。 この結果から分かるように、月日が経つにしたがって言葉が変化し、誤用が定着したのではなく、以前から「雪辱を晴らす」という誤用はよくあったということでしょう。 そして、正しく使用している人と誤用している人の割合の差は20%もありません。 つまり、正しく使えている人も多くいる反面、誤用している人もたくさんいる、ということなのです。 せっかくここで「雪辱を果たす」が正しいと確認したからには、誤用せずに使っていきたいですね! 「雪辱」の使い道 「雪辱」という言葉は、「雪辱を果たす」という言い回し以外でも使われています。 例えば、「雪辱を遂げる」という言い方。 「果たす」と「遂げる」が同じような意味をもつため、「雪辱を果たす」と意味は変わりません。 他には、「雪辱する」と動詞化して使うこともできます。 「恥をすすぐ」という意味になりますね。 「雪辱を”果たす”だっけ?雪辱を”晴らす”だっけ?」と分からなくなった際には、「雪辱する」という言い方で誤用を避けるのも手です! 「雪辱を果たす」という言葉はスポーツに関する場面でよく目にすると書きましたが、前回の試合で負け、今回の試合では勝って名誉挽回するぞ!と意気込んで臨む試合なんかは「雪辱戦」と表現されることもあります。 これら以外にも、「雪辱を誓う」や「雪辱を目指す」や「雪辱に燃える」といった使い方がされますが、いずれも「雪辱」の意味が分かっていたら正しく使えるはずです。 ただし、「雪辱を晴らす」はNGですのでお気をつけて!
(結論)
雪辱を「果たす」が正しい
雪辱を「晴らす」は間違い
「雪辱を果たす」の「雪辱」とは?
「雪辱を果たす」という言葉を、今までに耳にしたことはあると思います。
スポーツ関連のテレビや新聞などでよく使われる言葉ですが、「雪辱」の正しい意味って、知っていますか?
「雪辱」「果たす」「晴らす」のそれぞれの意味を確認してしまえば、「雪辱を”果たす”だっけ?雪辱を”晴らす”だっけ?」と悩むことは無くなります。
ではまず、「雪辱」の意味を辞書の引用で確認してみましょう。
goo辞書より引用
このとおり、「雪辱」という言葉は「辱(はじ)を雪(すす)ぐ」という意味をもっています。
そして、「果たす」は「成し遂げる」という意味で、「晴らす」は「わだかまりを取り除く」という意味です。
「雪辱を果たす」とは「恥をすすぐことを成し遂げる」、つまり、成功を修めることで「以前の恥を挽回する」という意味になります。
「雪辱」という言葉自体に、「雪(すす)ぐ」という悪いものを取り除くニュアンスが含まれているため、「雪辱を晴らす」では「恥を取り除くことを取り除く」となり、結果恥が取り除かれていないことになってしまいます。
「雪辱を晴らす」という誤用は、「屈辱を晴らす」という言葉との混同によって生まれたのではないでしょうか。
「屈辱」自体は「恥ずかしい思いをさせられること」という意味ですので、その思いを「晴らす」、すなわち「恥ずかしい思いを取り除く」となり、意味が通じますよね。
「雪辱」と「屈辱」、「果たす」と「晴らす」。
言葉が似ていてややこしい!と感じてしまうかもしれませんが、「雪辱を果たす」と「屈辱を晴らす」が正しい組み合わせですのでお間違えのないように!
日本人の多くが誤用している!
文化庁が平成22年度に16歳以上を対象に行った「国語に関する世論調査」で、「雪辱を果たす」と「雪辱を晴らす」のどちらの言葉を使うかに関する調査が行われました。
「雪辱を果たす」を使う人の割合が「雪辱を晴らす」を使う人の割合を超えた年代、すなわち誤用している人の割合がより少なかった年代は、30代、40代、60歳以上でした。
逆に、誤用している人の割合がより多かった年代は、10代、20代、50代でした。
この結果から分かるように、月日が経つにしたがって言葉が変化し、誤用が定着したのではなく、以前から「雪辱を晴らす」という誤用はよくあったということでしょう。
そして、正しく使用している人と誤用している人の割合の差は20%もありません。
つまり、正しく使えている人も多くいる反面、誤用している人もたくさんいる、ということなのです。
せっかくここで「雪辱を果たす」が正しいと確認したからには、誤用せずに使っていきたいですね!
「雪辱」の使い道
「雪辱」という言葉は、「雪辱を果たす」という言い回し以外でも使われています。
例えば、「雪辱を遂げる」という言い方。
「果たす」と「遂げる」が同じような意味をもつため、「雪辱を果たす」と意味は変わりません。
他には、「雪辱する」と動詞化して使うこともできます。
「恥をすすぐ」という意味になりますね。
「雪辱を”果たす”だっけ?雪辱を”晴らす”だっけ?」と分からなくなった際には、「雪辱する」という言い方で誤用を避けるのも手です!
「雪辱を果たす」という言葉はスポーツに関する場面でよく目にすると書きましたが、前回の試合で負け、今回の試合では勝って名誉挽回するぞ!と意気込んで臨む試合なんかは「雪辱戦」と表現されることもあります。
これら以外にも、「雪辱を誓う」や「雪辱を目指す」や「雪辱に燃える」といった使い方がされますが、いずれも「雪辱」の意味が分かっていたら正しく使えるはずです。
ただし、「雪辱を晴らす」はNGですのでお気をつけて!