HOME 言葉の意味 新規「まき直し」or「まき返し」? 新規「まき直し」or「まき返し」? まき直す? まき返す? (ページ下部にオマケ漫画があります) (結論) 物事を初めからやり直すことは、「新規まき直し」! 「新規まき返し」ではない 新規「まき直し」?「まき返し」? スポーツ実況で、「Aチーム逆転です!ここから一気に新規まき返しを図ります!」とアナウンサーがいったとしましょう。 この実況に、違和感を感じませんか? 「違和感なんて感じないよ、Aチームが反撃するってことでしょ?」と思った方、言葉もその意味も、誤用しちゃっています! まず、「新規」という言葉と合わせて使われるのは、「まき直し」! 「新規まき返し」という言葉はありません。 そして、「新規まき直し」の意味を取り違っている人も多くいるようです。 この際に、「まき直し」の意味から確認していきましょう。 まき‐なおし〔‐なほし〕【×蒔き直し】 1 種をもう一度まくこと。 2 物事を初めからやり直すこと。「新規蒔き直し」 デジタル大辞泉(小学館) goo辞書より引用 まず、「まき直し」の元々の意味は、「種をもう一度まくこと」。 種から再び育て直すわけですから、その意味から「物事を初めからやり直すこと」という意味が生まれたのでしょう。 ちなみに、「まき返し」の意味は、「劣勢から、態勢を立て直して反撃すること」です。 「「新規まき返し」を「負けている状態から反撃する」という意味で使えば、誤用にはならないんじゃないの?」と考える方もいるかもしれませんが、そもそも「新規」と「まき返し」を一緒に使うのが誤りになってしまいます。 上記の辞書の引用にもありますが、「まきなおし」の例として「新規蒔き直し」が挙げられていることに注目しましょう! それでは、「新規まき直し」の意味もチェックしておきましょう。 しんき‐まきなおし〔‐まきなほし〕【新規×蒔き直し】 もとに戻って、もう一度新しくやりなおすこと。「新規蒔き直しを図る」 デジタル大辞泉(小学館) goo辞書より引用 「蒔き直し」?「巻き直し」? 先程は「新規まき直し」の意味を確認しましたが、その時に「あれ?「まき直し」の漢字って「巻き直し」じゃないの?」と思った方はいませんか? 「新規まき直し」という言葉に関しては、漢字の誤りも非常に多いようです。 正しくは、「新規蒔き直し」! 「巻き直し」ではなく「蒔き直し」が正しいということを知ったら、「新規蒔き直し」の意味もすんなりと理解できるのではないでしょうか? 先程もいったように、「蒔き直し」は、「種をもう一度まくこと」という意味が変化して「物事を初めからやり直すこと」という意味をもつようになりました。 「巻き直し」は、単純にテープやロープなどを巻く動作をやり直す、という意味ですから、うまく意味がつながりませんよね。 ただ、文英堂「21世紀日本語表記辞典」など一部の辞典では、「新規巻き直し」の表記が正しいとしているようです。 言葉、意味、漢字の誤用を乗り越えて 前項では「まき直し」の漢字について、前々項では「まき直し」か「まき返し」かという言葉の違いやその意味について触れてきました。 文化庁が令和元年に16歳以上を対象に行った「国語に関する世論調査」では、言葉の違いに焦点を当て、「今までのことを改め、最初から始めること」という意味で「新規まき直し」と「新規まき返し」のどちらを使うかについての調査が行われました。 この調査で、20代から60代においては「新規まき返し」を使う人の割合が「新規まき直し」を使う人の割合を超える、すなわち誤用している人の割合の方が高いという結果が明らかになりました。 一方で、10代、70歳以上ではその逆の結果、すなわち正しく使っている人の割合の方が誤用している人の割合より高いという結果になりました。 しかし、いずれにしても日本人の約4、5割の人が誤用していることは事実です。 ぜひとも今後は「新規まき直し」という言葉を正しく使っていってほしいものですが、正しく使うためには、言葉と意味と、漢字の誤用を切り抜けなければなりません。 「まき返し」? 「蒔き直し」? 「巻き直し」? 結局、「新規まき直し」の意味ってなんだったっけ? …というように、きっとこんがらがってしまった人もいるでしょう。 「もとに戻って、もう一度新しくやりなおすこと」という意味で「新規薪き直し」を使うのが正解です。 もし、まだ頭の整理が追い付いていないという方は、ぜひ「新規蒔き直し」でこの文章の始めから改めて確認してみてくださいね!
(結論)
物事を初めからやり直すことは、「新規まき直し」!
「新規まき返し」ではない
新規「まき直し」?「まき返し」?
スポーツ実況で、「Aチーム逆転です!ここから一気に新規まき返しを図ります!」とアナウンサーがいったとしましょう。
この実況に、違和感を感じませんか?
「違和感なんて感じないよ、Aチームが反撃するってことでしょ?」と思った方、言葉もその意味も、誤用しちゃっています!
まず、「新規」という言葉と合わせて使われるのは、「まき直し」!
「新規まき返し」という言葉はありません。
そして、「新規まき直し」の意味を取り違っている人も多くいるようです。
この際に、「まき直し」の意味から確認していきましょう。
goo辞書より引用
まず、「まき直し」の元々の意味は、「種をもう一度まくこと」。
種から再び育て直すわけですから、その意味から「物事を初めからやり直すこと」という意味が生まれたのでしょう。
ちなみに、「まき返し」の意味は、「劣勢から、態勢を立て直して反撃すること」です。
「「新規まき返し」を「負けている状態から反撃する」という意味で使えば、誤用にはならないんじゃないの?」と考える方もいるかもしれませんが、そもそも「新規」と「まき返し」を一緒に使うのが誤りになってしまいます。
上記の辞書の引用にもありますが、「まきなおし」の例として「新規蒔き直し」が挙げられていることに注目しましょう!
それでは、「新規まき直し」の意味もチェックしておきましょう。
goo辞書より引用
「蒔き直し」?「巻き直し」?
先程は「新規まき直し」の意味を確認しましたが、その時に「あれ?「まき直し」の漢字って「巻き直し」じゃないの?」と思った方はいませんか?
「新規まき直し」という言葉に関しては、漢字の誤りも非常に多いようです。
正しくは、「新規蒔き直し」!
「巻き直し」ではなく「蒔き直し」が正しいということを知ったら、「新規蒔き直し」の意味もすんなりと理解できるのではないでしょうか?
先程もいったように、「蒔き直し」は、「種をもう一度まくこと」という意味が変化して「物事を初めからやり直すこと」という意味をもつようになりました。
「巻き直し」は、単純にテープやロープなどを巻く動作をやり直す、という意味ですから、うまく意味がつながりませんよね。
ただ、文英堂「21世紀日本語表記辞典」など一部の辞典では、「新規巻き直し」の表記が正しいとしているようです。
言葉、意味、漢字の誤用を乗り越えて
前項では「まき直し」の漢字について、前々項では「まき直し」か「まき返し」かという言葉の違いやその意味について触れてきました。
文化庁が令和元年に16歳以上を対象に行った「国語に関する世論調査」では、言葉の違いに焦点を当て、「今までのことを改め、最初から始めること」という意味で「新規まき直し」と「新規まき返し」のどちらを使うかについての調査が行われました。
この調査で、20代から60代においては「新規まき返し」を使う人の割合が「新規まき直し」を使う人の割合を超える、すなわち誤用している人の割合の方が高いという結果が明らかになりました。
一方で、10代、70歳以上ではその逆の結果、すなわち正しく使っている人の割合の方が誤用している人の割合より高いという結果になりました。
しかし、いずれにしても日本人の約4、5割の人が誤用していることは事実です。
ぜひとも今後は「新規まき直し」という言葉を正しく使っていってほしいものですが、正しく使うためには、言葉と意味と、漢字の誤用を切り抜けなければなりません。
「まき返し」?
「蒔き直し」?
「巻き直し」?
結局、「新規まき直し」の意味ってなんだったっけ?
…というように、きっとこんがらがってしまった人もいるでしょう。
「もとに戻って、もう一度新しくやりなおすこと」という意味で「新規薪き直し」を使うのが正解です。
もし、まだ頭の整理が追い付いていないという方は、ぜひ「新規蒔き直し」でこの文章の始めから改めて確認してみてくださいね!