HOME 言葉の意味 「砂をかむよう」の正しい意味は? 「砂をかむよう」の正しい意味は? 「砂をかむよう」ってどんな気持ち (ページ下部にオマケ漫画があります) (結論) 「砂をかむよう」とは、「無味乾燥でつまらない様子」のこと 「悔しくてたまらない様子」という意味は誤り 「砂をかむよう」な気持ちって? 突然ですが、あさりの酒蒸しを食べて、砂入りのあさりに当たったことはありませんか? あれ、ジャリっとして、とても不快ですよね。 実際に砂をかむと、誰しもが、まず不快感や嫌悪感を覚えるでしょう。 砂をジャリジャリとかんで、「あぁ、砂って味がしないなぁ」なんて考える人は少ないでしょう。 そこで、今回のテーマです。 「砂をかむよう」という慣用句を聞いたことはありますか? この慣用句は誤用されることが多く、「悔しくてたまらない様子」という誤った意味で用いられることが多くなっているようです。 「砂をかむよう」という慣用句の本来の正しい意味は、「無味乾燥でつまらない様子」です。 砂をかんでいるように味がしない、という語源から、味気ない感じや、趣深さ、おもしろみに欠ける様子などを表します。 慣用句には、「気持ちを引き締める」という意味の「えりを正す」など、その文字が意味を連想させやすいものが多く存在します。 実際に砂をかむと、不快感や苦みを感じることから、「悔しくてたまらない様子」といった意味が連想されるようになったのでしょうか? 誤った意味がどのようにして生まれ、使われるようになったかは定かではありません。 ですが、現時点では辞書でも「悔しくてたまらない様子」は誤った意味として紹介されています。 この機会に、改めて辞書で意味を確認してみましょう。 砂(すな)を噛(か)むよう あじわいやおもしろみが、まったくないたとえ。「砂を噛むような味気ない食事」 デジタル大辞泉(小学館) goo辞書より引用 実は、誤用率の方が高い 文化庁が平成30年度に16歳以上を対象に行った「国語に関する世論調査」で、「砂をかむよう」の意味に関する調査が行われました。 50代以下の各年代において、6~7割の人が、誤りである「悔しくてたまらない様子」という意味を回答するという結果になりました。 60代、70歳以上の年代においても、正しい意味を回答した人よりも誤った意味を回答した人の方が多く、その誤用率は45%を超えています。 いずれの年代でも誤用率が正答率を上回っており、誤った意味である「悔しくてたまらない様子」がかなり普及してしまっている、ということを読み取ることができます。 今まで誤った意味で「砂をかむ」を使っていたけれど、これを機に「無味乾燥でつまらない様子」という正しい意味で使っていこう!と思ってくださったあなた。 誤用が普及してしまっている世の中では、正しい意味で使っていても、相手には誤った意味で捉えられてしまう、といった場面に出くわすかもしれません。 そこで、上手に言い換え表現を使ってみてはいかがでしょうか? 「無味乾燥でつまらない様子」という意味の「砂をかむよう」は、「味気ない」や「興味がわかない」、「退屈な」といった言葉で言い換えることができるでしょう。 正しい意味にも、誤った意味にも捉えられてしまうような例文をあげてみます。 「あの日以来、砂をかむような日々が続いた」という文章は、誤った意味で捉えられてしまうと、「あの日以来、悔しくてたまらない日々が続いた」となってしまいます。 そこで、「砂をかむような」という言葉のニュアンスを伝えるために、「あの日以来、退屈な日々が続いた」などと言い換えてみてはどうでしょうか。 次に、「この小説は砂をかむような駄作だ」という例文を考えてみます。 「砂をかむよう」の正しい意味を知っていれば、難なく理解できる文章です。 ですが、誤った意味で捉えてしまうと、「悔しくてたまらない駄作ってどういうこと?その小説は自分で書いたの?」とあらぬ勘違いをする人がいるかもしれません。 ですので、「この小説は味気なくてつまらない駄作だ」などと言い換えるのが無難かもしれません。 誤用の多い言葉とは、上手に付き合っていきたいものですね。 「砂をかむよう」の英語版は、とってもシンプル! 「砂をかむよう」が誤用されるのには、似た言葉を用いた、似た意味をもつ慣用句が存在することも、要因の一つかもしれません。 例えば、「怒りやくやしさをこらえる(goo辞書より引用)」という意味をもつ、「唇をかむ」という言葉。 「〇〇をかむ」という形は同じですが、「唇をかむ」の意味は、「砂をかむよう」の誤った意味と似ています。 語感が似ているだけに、つい意味まで混同しそうになってしまいますよね。 他には、「後悔する(goo辞書より引用)」という意味をもつ、「臍(ほぞ)をかむ」という言葉。 「唇をかむ」と同様に、「砂をかむ」と語感は似ているものの意味は全く異なります。 「砂をかむよう」を誤用してしまうのも無理ない、と思ってしまうほど、とても紛らわしいですよね。 どうにかして、「砂をかむよう」と「無味乾燥でつまらない様子」という意味を結び付けられないか、と考えた際、「砂をかむよう」の英語版を考えることに行き着きました。 日本語の「砂をかむよう」は、英語で「tasteless」や「lifeless」と表現するようです。 文字通り、「taste(味)」が「less(より少ない)」で、「味気ない」です。 また、「life(活力)」が「less(より少ない)」で、「活気のない、退屈な」です。 英語で考えた方が、文字通りで分かりやすい!と思ってくださった方は、ぜひ「砂をかむよう」の意味を、英語と結びつけて覚えてみてください。 また、上級者には「bland」という英単語を。 「砂をかむよう」な味気無さ、面白みのなさを表す形容詞です。 「砂をかむよう」の正しい意味が分からなくなった時には、「tasteless」や「lifeless」、あるいは「bland」といった英単語を思い浮かべるのも一つの手ですよ。
(結論)
「砂をかむよう」とは、「無味乾燥でつまらない様子」のこと
「悔しくてたまらない様子」という意味は誤り
「砂をかむよう」な気持ちって?
突然ですが、あさりの酒蒸しを食べて、砂入りのあさりに当たったことはありませんか?
あれ、ジャリっとして、とても不快ですよね。
実際に砂をかむと、誰しもが、まず不快感や嫌悪感を覚えるでしょう。
砂をジャリジャリとかんで、「あぁ、砂って味がしないなぁ」なんて考える人は少ないでしょう。
そこで、今回のテーマです。
「砂をかむよう」という慣用句を聞いたことはありますか?
この慣用句は誤用されることが多く、「悔しくてたまらない様子」という誤った意味で用いられることが多くなっているようです。
「砂をかむよう」という慣用句の本来の正しい意味は、「無味乾燥でつまらない様子」です。
砂をかんでいるように味がしない、という語源から、味気ない感じや、趣深さ、おもしろみに欠ける様子などを表します。
慣用句には、「気持ちを引き締める」という意味の「えりを正す」など、その文字が意味を連想させやすいものが多く存在します。
実際に砂をかむと、不快感や苦みを感じることから、「悔しくてたまらない様子」といった意味が連想されるようになったのでしょうか?
誤った意味がどのようにして生まれ、使われるようになったかは定かではありません。
ですが、現時点では辞書でも「悔しくてたまらない様子」は誤った意味として紹介されています。
この機会に、改めて辞書で意味を確認してみましょう。
goo辞書より引用
実は、誤用率の方が高い
文化庁が平成30年度に16歳以上を対象に行った「国語に関する世論調査」で、「砂をかむよう」の意味に関する調査が行われました。
50代以下の各年代において、6~7割の人が、誤りである「悔しくてたまらない様子」という意味を回答するという結果になりました。
60代、70歳以上の年代においても、正しい意味を回答した人よりも誤った意味を回答した人の方が多く、その誤用率は45%を超えています。
いずれの年代でも誤用率が正答率を上回っており、誤った意味である「悔しくてたまらない様子」がかなり普及してしまっている、ということを読み取ることができます。
今まで誤った意味で「砂をかむ」を使っていたけれど、これを機に「無味乾燥でつまらない様子」という正しい意味で使っていこう!と思ってくださったあなた。
誤用が普及してしまっている世の中では、正しい意味で使っていても、相手には誤った意味で捉えられてしまう、といった場面に出くわすかもしれません。
そこで、上手に言い換え表現を使ってみてはいかがでしょうか?
「無味乾燥でつまらない様子」という意味の「砂をかむよう」は、「味気ない」や「興味がわかない」、「退屈な」といった言葉で言い換えることができるでしょう。
正しい意味にも、誤った意味にも捉えられてしまうような例文をあげてみます。
「あの日以来、砂をかむような日々が続いた」という文章は、誤った意味で捉えられてしまうと、「あの日以来、悔しくてたまらない日々が続いた」となってしまいます。
そこで、「砂をかむような」という言葉のニュアンスを伝えるために、「あの日以来、退屈な日々が続いた」などと言い換えてみてはどうでしょうか。
次に、「この小説は砂をかむような駄作だ」という例文を考えてみます。
「砂をかむよう」の正しい意味を知っていれば、難なく理解できる文章です。
ですが、誤った意味で捉えてしまうと、「悔しくてたまらない駄作ってどういうこと?その小説は自分で書いたの?」とあらぬ勘違いをする人がいるかもしれません。
ですので、「この小説は味気なくてつまらない駄作だ」などと言い換えるのが無難かもしれません。
誤用の多い言葉とは、上手に付き合っていきたいものですね。
「砂をかむよう」の英語版は、とってもシンプル!
「砂をかむよう」が誤用されるのには、似た言葉を用いた、似た意味をもつ慣用句が存在することも、要因の一つかもしれません。
例えば、「怒りやくやしさをこらえる(goo辞書より引用)」という意味をもつ、「唇をかむ」という言葉。
「〇〇をかむ」という形は同じですが、「唇をかむ」の意味は、「砂をかむよう」の誤った意味と似ています。
語感が似ているだけに、つい意味まで混同しそうになってしまいますよね。
他には、「後悔する(goo辞書より引用)」という意味をもつ、「臍(ほぞ)をかむ」という言葉。
「唇をかむ」と同様に、「砂をかむ」と語感は似ているものの意味は全く異なります。
「砂をかむよう」を誤用してしまうのも無理ない、と思ってしまうほど、とても紛らわしいですよね。
どうにかして、「砂をかむよう」と「無味乾燥でつまらない様子」という意味を結び付けられないか、と考えた際、「砂をかむよう」の英語版を考えることに行き着きました。
日本語の「砂をかむよう」は、英語で「tasteless」や「lifeless」と表現するようです。
文字通り、「taste(味)」が「less(より少ない)」で、「味気ない」です。
また、「life(活力)」が「less(より少ない)」で、「活気のない、退屈な」です。
英語で考えた方が、文字通りで分かりやすい!と思ってくださった方は、ぜひ「砂をかむよう」の意味を、英語と結びつけて覚えてみてください。
また、上級者には「bland」という英単語を。
「砂をかむよう」な味気無さ、面白みのなさを表す形容詞です。
「砂をかむよう」の正しい意味が分からなくなった時には、「tasteless」や「lifeless」、あるいは「bland」といった英単語を思い浮かべるのも一つの手ですよ。