HOME 言葉の意味 「手をこまねく」の正しい意味は? 「手をこまねく」の正しい意味は? 「手をこまねく」は手をどうする? (ページ下部にオマケ漫画があります) (結論) 「手をこまねく」とは、「何もせずに傍観している」こと! 「準備して待ち構える」という意味ではない。 「手をこまねく」では、手を動かさない! 突然ですが、クイズです。 「手をこまねいてその日を待つ」という例文があったとしましょう。 「手をこまねく」という言葉がこのように使われていたとき、あなたはA:「準備万端、用意周到でその日を待つ」と捉えますか? それとも、B:「何もせず、ただ眺めているだけでその日を待つ」と捉えますか? 「こまねくって何かの動作っぽいから、答えはAかな?」などと思ったあなた、誤用してしまっていますよ! 「手をこまねく」の正しい意味は、「何もせずに傍観していること」。 「傍観」とは、手を出さずにただそばでみていることですから、正解はBの「何もせず、ただ眺めているだけでその日を待つ」となります。 間違った意味で使っていた!という方は、ぜひ次の辞書の引用で意味を確かめてみましょう。 手(て)を拱(こまぬ)・く 《「てをこまねく」とも》 1 両手の指を胸の前で組んで敬礼する。中国で行われたあいさつの方法。 2 腕組みをする。手をつかねる。「―・いて思いにふける」 3 何もしないで傍観している。手をつかねる。腕をこまぬく。「当局も―・いていたわけではない」 「要吉は―・いて女の泣き止むのを待っていた」〈森田草平・煤煙〉 デジタル大辞泉(小学館) goo辞書より引用 「手をこまねく」という言葉は、昔、中国で行われていたあいさつの様子から生まれた言葉のようです。 そのあいさつというのが、指を胸の前で組んで敬礼する、というものです。 この動作が腕組みする動作に似ていたために腕組みするという意味をもつようになり、さらに腕組みしている様子から「何もせずに傍観している」という意味が生まれたのではないでしょうか。 「手をこまねく」は動作を表すのではなく、むしろ真逆の「何もせずに傍観している」という意味をもつことを理解していただけたでしょうか? 元々は「手をこまぬく」だった 「手をこまねく」の「こまねく」は、「拱く」と書きます。 そして、元々は「拱く」は「こまぬく」と読まれていました。 時と共に変化し、今では「こまねく」と読まれるのが主流となっていったようです。 「手をこまぬく」と聞けば、「こまぬく」が馴染みがない言葉なだけに、何かの動作を表していると勘違いすることはなさそうです。 ですが、「手をこまねく」と聞くと、「手招く(てまねく)」の音と似ているために何かの動作を表す言葉だと勘違いしそうになるのも無理はなさそうですよね。 「招く」という音に似ているだけあって、「準備して待ち構える」という意味と取り違えてしまっているのではないか、ということは文化庁がホームページでも言及していました。 もちろん、今でも「こまぬく」と読むのは間違いではありません。 なぜ誤用されるようになったのかを知れば、きっと今後は誤用しなくなるのではないでしょうか? ぜひ、頭の隅に置いておいてください。 誤用している人、多数! 文化庁が平成20年に16歳以上を対象に行った「国語に関する世論調査」で、「手をこまねく」の意味に関する調査が行われました。 なんと、「手をこまねく」の意味は「準備して待ち構える」だと誤用している人の割合が、正しい「何もせずに傍観している」の意味で使っている人の割合を超える結果に。 10代は特に誤用率が高く、6割を超えています。 その他の年代でも4割から5割の人が誤用しており、全ての年代で誤用している人の割合の方が多い、あるいは同数という結果でした。 そして、おおよそ若い年代ほど高い誤用率となりました。 「手をこまぬく」ではなく、「手をこまねく」という言い方が主流になり、「こまぬく」という読み方を知らない人が増えていったことが原因のひとつとなるのでしょうか。 また、「手をこまねく」は使いどころがやや限定的であるため、使う場面を誤ってしまうこともあるかもしれません。 「手をこまねく」は「何もせずに傍観している」という意味ですが、この意味に少しニュアンスをつけて、どんな場面で使われるのか確認してみましょう! 「何もせずに傍観している」を、よくない状況下で、本当は何か手を打ちたいけど何もできず、ただ眺めていることしかできないでいる、といった感じで考えてみてはどうでしょうか。 このように考えたとき、「手をこまねく」は、「目の前で事件が起きているのに、手をこまねいていることしかできなかった」などと使うことができます。 スポーツの場面を例にあげると、「自分のチームが劣勢だったが、自分はベンチで手をこまねいてゲーム終了を待つことしかできなかった」という使い方もできるでしょう。 あるいは、「会社内は大混乱の渦だったが、社長は何の対策もせずただ手をこまねいているだけだ」という使い方もできるかもしれません。 つまりは、手を出せずにいるときや、あるいは意図的に手を出さないでいるときなどに使われる、ということです。 手を出せずにいる状況では、悔しさや悲しさ、虚しさなどが伴うことが多いようです。 自分で使う場面もあるでしょうが、本などに出てきた際に正しい意味で読むことができることで、より本への理解が深まるかもしれません。 「手をこまねく」は「何もせずに傍観している」だ、ということをぜひこの機会に覚えてくださいね。
(結論)
「手をこまねく」とは、「何もせずに傍観している」こと!
「準備して待ち構える」という意味ではない。
「手をこまねく」では、手を動かさない!
突然ですが、クイズです。
「手をこまねいてその日を待つ」という例文があったとしましょう。
「手をこまねく」という言葉がこのように使われていたとき、あなたはA:「準備万端、用意周到でその日を待つ」と捉えますか?
それとも、B:「何もせず、ただ眺めているだけでその日を待つ」と捉えますか?
「こまねくって何かの動作っぽいから、答えはAかな?」などと思ったあなた、誤用してしまっていますよ!
「手をこまねく」の正しい意味は、「何もせずに傍観していること」。
「傍観」とは、手を出さずにただそばでみていることですから、正解はBの「何もせず、ただ眺めているだけでその日を待つ」となります。
間違った意味で使っていた!という方は、ぜひ次の辞書の引用で意味を確かめてみましょう。
goo辞書より引用
「手をこまねく」という言葉は、昔、中国で行われていたあいさつの様子から生まれた言葉のようです。
そのあいさつというのが、指を胸の前で組んで敬礼する、というものです。
この動作が腕組みする動作に似ていたために腕組みするという意味をもつようになり、さらに腕組みしている様子から「何もせずに傍観している」という意味が生まれたのではないでしょうか。
「手をこまねく」は動作を表すのではなく、むしろ真逆の「何もせずに傍観している」という意味をもつことを理解していただけたでしょうか?
元々は「手をこまぬく」だった
「手をこまねく」の「こまねく」は、「拱く」と書きます。
そして、元々は「拱く」は「こまぬく」と読まれていました。
時と共に変化し、今では「こまねく」と読まれるのが主流となっていったようです。
「手をこまぬく」と聞けば、「こまぬく」が馴染みがない言葉なだけに、何かの動作を表していると勘違いすることはなさそうです。
ですが、「手をこまねく」と聞くと、「手招く(てまねく)」の音と似ているために何かの動作を表す言葉だと勘違いしそうになるのも無理はなさそうですよね。
「招く」という音に似ているだけあって、「準備して待ち構える」という意味と取り違えてしまっているのではないか、ということは文化庁がホームページでも言及していました。
もちろん、今でも「こまぬく」と読むのは間違いではありません。
なぜ誤用されるようになったのかを知れば、きっと今後は誤用しなくなるのではないでしょうか?
ぜひ、頭の隅に置いておいてください。
誤用している人、多数!
文化庁が平成20年に16歳以上を対象に行った「国語に関する世論調査」で、「手をこまねく」の意味に関する調査が行われました。
なんと、「手をこまねく」の意味は「準備して待ち構える」だと誤用している人の割合が、正しい「何もせずに傍観している」の意味で使っている人の割合を超える結果に。
10代は特に誤用率が高く、6割を超えています。
その他の年代でも4割から5割の人が誤用しており、全ての年代で誤用している人の割合の方が多い、あるいは同数という結果でした。
そして、おおよそ若い年代ほど高い誤用率となりました。
「手をこまぬく」ではなく、「手をこまねく」という言い方が主流になり、「こまぬく」という読み方を知らない人が増えていったことが原因のひとつとなるのでしょうか。
また、「手をこまねく」は使いどころがやや限定的であるため、使う場面を誤ってしまうこともあるかもしれません。
「手をこまねく」は「何もせずに傍観している」という意味ですが、この意味に少しニュアンスをつけて、どんな場面で使われるのか確認してみましょう!
「何もせずに傍観している」を、よくない状況下で、本当は何か手を打ちたいけど何もできず、ただ眺めていることしかできないでいる、といった感じで考えてみてはどうでしょうか。
このように考えたとき、「手をこまねく」は、「目の前で事件が起きているのに、手をこまねいていることしかできなかった」などと使うことができます。
スポーツの場面を例にあげると、「自分のチームが劣勢だったが、自分はベンチで手をこまねいてゲーム終了を待つことしかできなかった」という使い方もできるでしょう。
あるいは、「会社内は大混乱の渦だったが、社長は何の対策もせずただ手をこまねいているだけだ」という使い方もできるかもしれません。
つまりは、手を出せずにいるときや、あるいは意図的に手を出さないでいるときなどに使われる、ということです。
手を出せずにいる状況では、悔しさや悲しさ、虚しさなどが伴うことが多いようです。
自分で使う場面もあるでしょうが、本などに出てきた際に正しい意味で読むことができることで、より本への理解が深まるかもしれません。
「手をこまねく」は「何もせずに傍観している」だ、ということをぜひこの機会に覚えてくださいね。