HOME 言葉の意味 「浮足立つ」の正しい意味は? 「浮足立つ」の正しい意味は? 期待感? 不安感? (ページ下部にオマケ漫画があります) (結論) 「浮足立つ」は「恐れや不安を感じ、落ち着かずそわそわしている」という意味。 喜びや期待を感じて浮足立つのは間違い! どんなときに「浮足立つ」? 明日は、待ちに待った旅行初日。 そんなときの、楽しみや期待でそわそわした気持ちを、どのように表現したらいいでしょうか? 「浮足立つ」?それとも「浮立つ」? 「浮足立つ」だと思ったあなた、それ、誤用していますよ! 「浮立つ」だと思ったあなた、大正解! 実は、「浮足立つ」という言葉を、喜びや期待、楽しみなどといった感情に対して使うのは誤りなんです。 真逆の、恐れや不安などの感情に気持ちが落ち着かず、そわそわしている様子を表した言葉が、「浮足立つ(うきあしだつ)」です。 まずは辞書の引用でその意味を確認してみましょう。 うきあし‐だ・つ【浮(き)足立つ】 [動タ五(四)]《「うきあしたつ」とも》 1 不安や恐れで落ち着きを失う。逃げ腰になる。「倒産のうわさに社員が―・つ」 2 俗に、期待で浮かれた気持ちになり、そわそわする。「開幕を前に―・っている」 デジタル大辞泉(小学館) goo辞書より引用 「浮足立つ」の本来の正しい意味は、1の意味になります。 そして、初めでも挙げた「浮立つ」はというと、こちらは楽しみや期待に心がそわそわとして落ち着かなくなる様子を表しています。 すなわち、「浮足立つ」と「浮立つ」は反対語というわけです。 「浮足立つ」の反対語となる言葉には「浮足立つ」と似た言葉が多く、非常に紛らわしいです。 例えば、「浮かれる」という言葉。 これは「楽しくなって心がうきうきする」という意味で、「浮立つ」の同義語になります。 「浮つく」という言葉も同様に「うきうきうして落ち着かなくなる」という意味で、「浮立つ」の同義語です。 まとめると、「浮足立つ」は恐れや不安にそわそわすることで、「浮立つ」「浮かれる」「浮つく」は喜びや期待、楽しみにそわそわすることです。 どの言葉にも「浮」という漢字が使われている上に、「浮足立つ」と「浮立つ」にいたってはたった一文字で意味が真逆になってしまいます。 紛らわしくて覚えられない、と思う方もいるかもしれませんが、「浮足立つ」の語源を知ってしまえば、きっと「浮足立つ」とその意味を関連付けて覚えることができます。 次項では、「浮足立つ」の語源を確認していきましょう。 「浮足」ってなに? 「浮足立つ」とは、「浮足」の状態で「立つ」ことを指すのですが、それでは「浮足」とはなんのことでしょうか? 端的にいうと、「浮足」とはつま先立ちのことです。 かかとが浮いているから「浮足」というのでしょうか。 うき‐あし【浮(き)足】 1 つま先だけが地面につき、かかとが上がっている状態。相撲などでもいう。 「砂でざらざらする青畳の上を―で歩きながら」〈秋声・足迹〉 2 落ち着かないさま。逃げ足・逃げ腰となること。 「一家が総て―になってそわそわして居た」〈花袋・生〉 3 取引で、相場が変動して定まらず、下落傾向になること。また、相場の状況が乱れていること。 デジタル大辞泉(小学館) goo辞書より引用 つま先立ちという意味のほかに、2の意味に、「落ち着かない様」とありますよね。 つまり、つま先立ち(浮足)になった状態では身体がゆらゆらしてしまい、バランスを崩してしまいそうで落ち着かない、というのが「浮足立つ」の語源です。 「浮足」が不安感を表すため、「浮足」を含まない「浮立つ」や「浮かれる」、「浮つく」は恐れや不安を表す言葉ではない、と覚えてみてはどうでしょうか。 誤った意味が主流になってしまった時代 文化庁が令和元年に16歳以上を対象に行った「国語に関する世論調査」で、「浮足立つ」の本来の意味についての調査が行われました。 その調査で、なんと日本人の約6割が、「浮足立つ」の意味を「喜びや期待を感じ、落ち着かずそわそわしている」だと誤認していた、という結果が明らかになりました。 年代別にみてみると、20代、30代の誤用率が一段と高く、7割を超える人が「浮足立つ」を誤用していたようです。 最も誤用率が低い70代以上においても、49.9%の人が誤用しており、「浮足立つ」以外の言葉の誤用率と比べても高い数値となりました。 実は、「浮足立つ」の誤用例は日常会話だけに留まらず、公の場でも数多く誤用されているようです。 全国放送のテレビで誤用し、アナウンサーが謝罪した例があるようですし、筆者はとあるアニメの公式サイト上で「冬休みを前に浮足立つ…」と誤用されているのを見かけました。 冬休みにはクリスマスや正月などわくわくするイベントがたくさんあるでしょうから、冬休み前に「浮足立つ」、というのはきっと誤用ですよね。 辞書にも俗な意味として本来の意味ではない意味が追加されるようにもなるほど、世間では誤用されているということでしょう。 公の場での誤用がさらに個人レベルの誤用を誘うようにして誤用が広まってしまったのでしょうか。 どうしてこれほどまで誤った意味が主流になってしまったのか、その明確な理由はわかりません。 ですが、せっかくここで「浮足立つ」の正しい意味を確認してくれたみなさんは、ぜひ「浮足立つ」を正しく使っていってくださいね!
(結論)
「浮足立つ」は「恐れや不安を感じ、落ち着かずそわそわしている」という意味。
喜びや期待を感じて浮足立つのは間違い!
どんなときに「浮足立つ」?
明日は、待ちに待った旅行初日。
そんなときの、楽しみや期待でそわそわした気持ちを、どのように表現したらいいでしょうか?
「浮足立つ」?それとも「浮立つ」?
「浮足立つ」だと思ったあなた、それ、誤用していますよ!
「浮立つ」だと思ったあなた、大正解!
実は、「浮足立つ」という言葉を、喜びや期待、楽しみなどといった感情に対して使うのは誤りなんです。
真逆の、恐れや不安などの感情に気持ちが落ち着かず、そわそわしている様子を表した言葉が、「浮足立つ(うきあしだつ)」です。
まずは辞書の引用でその意味を確認してみましょう。
goo辞書より引用
「浮足立つ」の本来の正しい意味は、1の意味になります。
そして、初めでも挙げた「浮立つ」はというと、こちらは楽しみや期待に心がそわそわとして落ち着かなくなる様子を表しています。
すなわち、「浮足立つ」と「浮立つ」は反対語というわけです。
「浮足立つ」の反対語となる言葉には「浮足立つ」と似た言葉が多く、非常に紛らわしいです。
例えば、「浮かれる」という言葉。
これは「楽しくなって心がうきうきする」という意味で、「浮立つ」の同義語になります。
「浮つく」という言葉も同様に「うきうきうして落ち着かなくなる」という意味で、「浮立つ」の同義語です。
まとめると、「浮足立つ」は恐れや不安にそわそわすることで、「浮立つ」「浮かれる」「浮つく」は喜びや期待、楽しみにそわそわすることです。
どの言葉にも「浮」という漢字が使われている上に、「浮足立つ」と「浮立つ」にいたってはたった一文字で意味が真逆になってしまいます。
紛らわしくて覚えられない、と思う方もいるかもしれませんが、「浮足立つ」の語源を知ってしまえば、きっと「浮足立つ」とその意味を関連付けて覚えることができます。
次項では、「浮足立つ」の語源を確認していきましょう。
「浮足」ってなに?
「浮足立つ」とは、「浮足」の状態で「立つ」ことを指すのですが、それでは「浮足」とはなんのことでしょうか?
端的にいうと、「浮足」とはつま先立ちのことです。
かかとが浮いているから「浮足」というのでしょうか。
goo辞書より引用
つま先立ちという意味のほかに、2の意味に、「落ち着かない様」とありますよね。
つまり、つま先立ち(浮足)になった状態では身体がゆらゆらしてしまい、バランスを崩してしまいそうで落ち着かない、というのが「浮足立つ」の語源です。
「浮足」が不安感を表すため、「浮足」を含まない「浮立つ」や「浮かれる」、「浮つく」は恐れや不安を表す言葉ではない、と覚えてみてはどうでしょうか。
誤った意味が主流になってしまった時代
文化庁が令和元年に16歳以上を対象に行った「国語に関する世論調査」で、「浮足立つ」の本来の意味についての調査が行われました。
その調査で、なんと日本人の約6割が、「浮足立つ」の意味を「喜びや期待を感じ、落ち着かずそわそわしている」だと誤認していた、という結果が明らかになりました。
年代別にみてみると、20代、30代の誤用率が一段と高く、7割を超える人が「浮足立つ」を誤用していたようです。
最も誤用率が低い70代以上においても、49.9%の人が誤用しており、「浮足立つ」以外の言葉の誤用率と比べても高い数値となりました。
実は、「浮足立つ」の誤用例は日常会話だけに留まらず、公の場でも数多く誤用されているようです。
全国放送のテレビで誤用し、アナウンサーが謝罪した例があるようですし、筆者はとあるアニメの公式サイト上で「冬休みを前に浮足立つ…」と誤用されているのを見かけました。
冬休みにはクリスマスや正月などわくわくするイベントがたくさんあるでしょうから、冬休み前に「浮足立つ」、というのはきっと誤用ですよね。
辞書にも俗な意味として本来の意味ではない意味が追加されるようにもなるほど、世間では誤用されているということでしょう。
公の場での誤用がさらに個人レベルの誤用を誘うようにして誤用が広まってしまったのでしょうか。
どうしてこれほどまで誤った意味が主流になってしまったのか、その明確な理由はわかりません。
ですが、せっかくここで「浮足立つ」の正しい意味を確認してくれたみなさんは、ぜひ「浮足立つ」を正しく使っていってくださいね!