HOME 言葉の意味 「やおら」の正しい意味は? 「やおら」の正しい意味は? やおら (ページ下部にオマケ漫画があります) (結論) 「やおら」の正しい意味は、「ゆっくりと」「そっと」、という意。 「急に」「いきなり」という意味ではない。 「やおら」は「急に」という意味ではない 「「やおら」立ち上がった」と聞くと、どのように立ち上がる様子を思い浮かべますか? 突然勢いよく立ち上がる様子、と思った方、実はそれ誤用なんです! 正しい「やおら」の意味は、その真逆の「ゆっくりと」という意味です。 この機会に、辞書の引用で確認してみましょう。 やおら〔やをら〕[副] 1 ゆっくりと動作を起こすさま。おもむろに。「やおら立ち上がる」 2 静かに。そっと。 「姫君、御硯 (すずり) を―引き寄せて」〈源・橋姫〉 デジタル大辞泉(小学館) goo辞書より引用 実は誤用している人のほうが多い 文化庁が平成18年度に16歳以上を対象に行った「国語に関する世論調査」では、60歳以上の年代を除いた全ての年代で、「やおら」を「急に」「いきなり」と誤用している人のほうが多いという結果になりました。 50代については、「ゆっくりと」という正しい意味で認識している人の割合が43.0%、「急に」のように誤用している人の割合が44.1%と、かなり僅差ではありますが、それでも誤用している人の割合の方が高くなっています。 どうしてこんなにも誤用してしまう人が多いのでしょうか。 それは、文章によっては、「やおら」の意味が「ゆっくりと」とも「急に」ともとれてしまうから。 例えば、上述した例文「やおら立ち上がった」という文章ですが、立ち上がるという動作的には「ゆっくりと立ち上がった」とも「急に立ち上がった」ともとれてしまいます。 確かに、文脈によっては「ゆっくりと立ち上がった」と理解することもできますが、全ての文章がそうとも限らないでしょう。 このような意味の捉え違いが、誤用が広まった有力な理由だといえるでしょう。 「有力」としたのは、文章を読んだ人の頭の中は覗けないから、とでもいいましょうか。 確たる証拠は無いようですが、文化庁もこの意味の捉え違いが誤用の原因だろうと述べています。 語源をチェックして正しい意味を覚えよう 「やおら」の語源にはいくつかの説があるようなのですが、ここでは、「やおら」を「ゆっくりと」という正しい意味で覚えてもらうために、一番わかりやすい説を紹介します。 実は、「やおら」は「やわら」とも発音します。 そして、「やわら」には以下のような意味があります。 やわ‐ら〔やは‐〕【柔ら】 1 柔術。 2 船の接触の際の衝撃をやわらげるために舷側 (げんそく) に下げておく、わらで作った球。かませ。じんた。 3 おだやかなこと。また、そのさま。 「わたしが―で申すうち、お返しなさるが、あなたのお為でござりませうぞえ」〈伎・四谷怪談〉 デジタル大辞泉(小学館) goo辞書より引用 「やわら」は「柔ら」とも表記し、さらに「柔ら」は「おだやかな」という意味をもっています。 「やおら」は、この「柔ら」という言葉を語源としている、という説があるようなのです。 音の響きも似ていますし、「柔」という文字のおだやかな印象も相まって、「やおら」は「ゆっくり」という意味だ、と覚えられるような気がしませんか? この語源については「そうなんだ~」と思っていただく程度で結構です。 いざという時にはきっと思い出せるでしょう。 それでも、「やおら」の正しい意味と誤用されている意味は真逆の意味を持つので、使い方によっては思わぬ誤解を招く可能性もあります。 ですので、「やおら」は「ゆっくりと」という意味だ、と正しく覚えておきたいですね。
(結論)
「やおら」の正しい意味は、「ゆっくりと」「そっと」、という意。
「急に」「いきなり」という意味ではない。
「やおら」は「急に」という意味ではない
「「やおら」立ち上がった」と聞くと、どのように立ち上がる様子を思い浮かべますか?
突然勢いよく立ち上がる様子、と思った方、実はそれ誤用なんです!
正しい「やおら」の意味は、その真逆の「ゆっくりと」という意味です。
この機会に、辞書の引用で確認してみましょう。
goo辞書より引用
実は誤用している人のほうが多い
文化庁が平成18年度に16歳以上を対象に行った「国語に関する世論調査」では、60歳以上の年代を除いた全ての年代で、「やおら」を「急に」「いきなり」と誤用している人のほうが多いという結果になりました。
50代については、「ゆっくりと」という正しい意味で認識している人の割合が43.0%、「急に」のように誤用している人の割合が44.1%と、かなり僅差ではありますが、それでも誤用している人の割合の方が高くなっています。
どうしてこんなにも誤用してしまう人が多いのでしょうか。
それは、文章によっては、「やおら」の意味が「ゆっくりと」とも「急に」ともとれてしまうから。
例えば、上述した例文「やおら立ち上がった」という文章ですが、立ち上がるという動作的には「ゆっくりと立ち上がった」とも「急に立ち上がった」ともとれてしまいます。
確かに、文脈によっては「ゆっくりと立ち上がった」と理解することもできますが、全ての文章がそうとも限らないでしょう。
このような意味の捉え違いが、誤用が広まった有力な理由だといえるでしょう。
「有力」としたのは、文章を読んだ人の頭の中は覗けないから、とでもいいましょうか。
確たる証拠は無いようですが、文化庁もこの意味の捉え違いが誤用の原因だろうと述べています。
語源をチェックして正しい意味を覚えよう
「やおら」の語源にはいくつかの説があるようなのですが、ここでは、「やおら」を「ゆっくりと」という正しい意味で覚えてもらうために、一番わかりやすい説を紹介します。
実は、「やおら」は「やわら」とも発音します。
そして、「やわら」には以下のような意味があります。
goo辞書より引用
「やわら」は「柔ら」とも表記し、さらに「柔ら」は「おだやかな」という意味をもっています。
「やおら」は、この「柔ら」という言葉を語源としている、という説があるようなのです。
音の響きも似ていますし、「柔」という文字のおだやかな印象も相まって、「やおら」は「ゆっくり」という意味だ、と覚えられるような気がしませんか?
この語源については「そうなんだ~」と思っていただく程度で結構です。
いざという時にはきっと思い出せるでしょう。
それでも、「やおら」の正しい意味と誤用されている意味は真逆の意味を持つので、使い方によっては思わぬ誤解を招く可能性もあります。
ですので、「やおら」は「ゆっくりと」という意味だ、と正しく覚えておきたいですね。